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小野薬品、大型買収で「オプジーボの崖」越えなるか?2025年3月期決算速報と成長戦略の全貌

皆さんこんにちは!テクマネラボへようこそ。

本日、小野薬品工業株式会社(証券コード:4528)が2025年3月期の決算を発表しました。大型買収や主力製品の動向、そして将来の成長を担う新薬開発の進捗など、注目ポイントが盛りだくさんの内容となっています。今回は、発表されたデータから一歩踏み込んで、特に同社が直面するオプジーボの特許切れ(2028年米国、2030年欧州、2031年日本)という大きな課題に対し、どのような戦略で臨んでいるのか、そして市場はそれをどう評価しているのかという点に焦点を当てて考察します。

📉 2025年3月期 業績ハイライト:試練と変革の1年とその背景

まずは今期の業績を振り返ってみましょう。

連結業績(IFRSベース)

  • 売上収益:4,868億7,100万円(前期比 3.1%減)
  • 営業利益:597億4,700万円(前期比 62.6%減
  • 税引前利益:593億2,800万円(前期比 63.8%減)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:500億4,700万円(前期比 60.9%減)
  • 1株当たり当期利益:106.55円

連結業績(コアベース)

  • 売上収益:4,868億7,100万円(前期比 3.1%減)
  • コア営業利益:1,126億6,700万円(前期比 37.7%減)
  • 親会社の所有者に帰属するコア当期利益:903億6,100万円(前期比 36.6%減)
  • 1株当たりコア当期利益:192.38円

今期は、売上収益、コア営業利益、コア当期利益は通期予想を達成したものの、IFRSベースの営業利益・当期利益は前期比で大幅な減益となりました。この背景には、米国のバイオ医薬品企業デサイフェラ社買収に伴う一時的な費用(のれん償却やPPA:取得原価配分に伴う無形資産償却など)や、糖尿病治療剤「フォシーガ」の販売達成マイルストンの支払いなどが大きく影響しています。特にIFRSベースでは、買収関連の費用が先行して計上されるため、短期的な利益を圧迫する構造になりやすいと言えます。しかし、コアベースの利益は、こうした一過性の要因を除いた事業の実質的な収益力を示しており、こちらが予想を達成した点は評価できるでしょう。

主な製品の状況とその考察

  • オプジーボ点滴静注:国内売上1,203億円(前期比17.3%減)。薬価引き下げの影響は避けられませんでしたが、依然として同社の主力製品であることに変わりはありません。今後は、適応拡大(特に早期がん領域や併用療法)や、利便性を高める皮下注製剤(ONO-4538HSC)への期待が、売上維持・再成長の鍵となります。この皮下注製剤は、静注製剤の特許切れ後も影響を軽減する狙いがあると考えられます。競争環境は年々厳しくなっていますが、これまでの実績と豊富なエビデンスが強みです。
  • フォシーガ錠:896億円(前期比17.7%増)と引き続き好調。慢性腎臓病への適応拡大が大きく貢献しています。ただし、2025年12月以降に想定される特許満了と後発医薬品の参入は、今後の大きな懸念材料です。同社がどのようなライフサイクルマネジメント戦略でこの影響を最小限に抑えるかが注目されます。
  • キンロック(海外製品):デサイフェラ社買収により獲得した消化管間質腫瘍治療剤。9ヶ月間で255億円の売上は、期待通りの滑り出しと言えるでしょう。これは、デサイフェラ社が持つ欧米での販売網が機能し始めている証とも考えられます。

ロイヤルティ収入の減少は、前期の一時金収入の反動減に加え、メルク社からの「キイトルーダ」に関するロイヤルティ料率が契約に基づき低下したことが主な要因です。これはある程度予測されていた動きであり、自社製品の売上拡大と新規導入品による収益源の多角化がより一層重要になってきます。

🚀 注目トピック:未来への布石と成長戦略の深掘り

1. デサイフェラ社買収の戦略的意義と今後の期待

2024年6月に買収を完了したデサイフェラ社は、単に製品ラインナップを増やすだけでなく、小野薬品のグローバル展開、特に欧米市場での自販体制構築を加速させるための重要な一手と位置づけられます。「キンロック」の順調な立ち上がりに加え、2025年2月に米国で販売開始した腱滑膜巨細胞腫(TGCT)治療薬「ロンビムザ」の貢献も期待されます。

さらに重要なのは、デサイフェラ社が持つがん領域における研究開発パイプラインと創薬プラットフォームです。これらが小野薬品の既存の研究開発力と融合することで、より革新的な新薬創出のスピードと確度が向上する可能性があります。買収によるシナジーが本格的に現れるのはこれからですが、中長期的な成長エンジンとしての役割が期待されます。

2. 研究開発の最前線:オプジーボ特許切れへの挑戦とパイプラインの現状

小野薬品の最重要課題は、2028年から2031年にかけて迎えるオプジーボの特許切れ(パテントクリフ)にいかに備えるかです。この収益の柱を失う前に、次世代の稼ぎ頭を複数育成する必要があります。そのために同社は、M&A(デサイフェラ社買収)、ライセンスイン(Sapablursenなど有望な新薬候補の導入)、そして研究開発費の増額といった多角的な戦略を積極的に推進しています。

  • Sapablursen(サパブルセン)導入:米Ionis社から導入した真性多血症治療薬。希少疾患領域であり、アンメットメディカルニーズが高い分野です。第II相臨床試験の結果次第では、大型化も期待できる有望なパイプラインと言えるでしょう。核酸医薬という新しいモダリティへの挑戦も注目点です。
  • ONO-4059(ベレキシブル):中枢神経系原発リンパ腫という治療選択肢の限られた疾患に対する新薬候補。米国での承認申請が予定されており、承認されればグローバル製品としての成長が期待されます。
  • その他のパイプライン:決算資料を見ると、後期開発段階(P3)の品目に加え、P2(第II相臨床試験)段階のパイプラインが比較的多く見られます。P2段階は、医薬品開発において「死の谷」とも呼ばれ、P3に進めるかどうかの重要な関門です。有望な候補がP3に進み、成功確率を高めていけるかが、特許切れ後の成長を左右します。現状、P2段階の品目が多いことは、将来の収益源確保に向けた種まきが進んでいると評価できる一方で、上市までの時間と不確実性を内包しているとも言え、この点が市場の懸念材料の一つとなっている可能性があります。

医薬品開発には常に不確実性が伴います。臨床試験の成功確率、開発期間の長期化、そして上市後の競合環境の変化など、多くのハードルを乗り越える必要があります。同社がどのパイプラインに重点を置き、どのように開発を進めていくのか、その戦略性が問われます。特許切れという明確な期限がある中で、早期から危機意識を持って対策を講じている点は評価できますが、その成果が具体的に形になるかが重要です。

3. 財務戦略:株主還元と成長投資の最適バランスの追求

  • 政策保有株式の縮減達成:目標であった「純資産に対する政策保有株式の割合10%未満」の達成は、資本効率改善への意識の表れとして評価できます。これにより創出されたキャッシュを、さらなる成長投資(M&Aやライセンス導入)や、安定的な株主還元(累進配当や機動的な自己株式取得)にどう配分していくかが次の焦点となります。
  • 投資アロケーションのアップデート:研究開発投資や戦略投資を積極的に行う姿勢は、持続的な成長を目指す上で不可欠です。特に、デサイフェラ社買収で得た海外拠点の整備や、さらなるパイプライン強化のための投資が加速される可能性があります。

☀️ 2026年3月期 業績予想:回復への期待と見据えるべきポイント

来期(2026年3月期)は増収増益を見込んでいます。

連結業績予想(IFRSベース)

  • 売上収益:4,900億円(当期比 0.6%増)
  • 営業利益:850億円(当期比 42.3%増
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:670億円(当期比 33.9%増)
  • 1株当たり当期利益:142.62円

連結業績予想(コアベース)

  • 売上収益:4,900億円(当期比 0.6%増)
  • コア営業利益:1,140億円(当期比 1.2%増)
  • 親会社の所有者に帰属するコア当期利益:910億円(当期比 0.7%増)

予想のポイントと考察

  • デサイフェラ社の通期寄与:これが来期の増収増益の最大の牽引役となる見込みです。買収効果が本格化し、IFRSベースでの利益も大幅な改善が期待されます。
  • オプジーボの底堅さ:国内売上およびロイヤルティ収入の増加を見込んでおり、依然として重要な収益柱です。ただし、競争激化と薬価改定圧力は継続するため、楽観はできません。
  • フォシーガの後発品影響:2025年12月以降の影響は、来期業績には限定的かもしれませんが、2027年3月期以降の業績を占う上で極めて重要な要素となります。この影響をカバーできるだけの新製品群を育成できるかが、中期的な成長の鍵を握ります。
  • 為替レート(1ドル=145円):海外売上比率が高まる中で、為替変動リスクは常に意識する必要があります。現状の円安は追い風ですが、反転した際の影響も考慮に入れておくべきでしょう。

📝 まとめ:パテントクリフへの挑戦と市場評価の行方

小野薬品工業の2025年3月期は、デサイフェラ社買収という大きな変革に伴う一時的な費用増により、見た目の利益は大きく減少しました。しかし、これは将来の飛躍に向けた「産みの苦しみ」とも言えるでしょう。コアベースの業績は底堅く、買収効果が本格化する来期以降のV字回復が期待されます。

中長期的な視点では、「オプジーボのパテントクリフ(特許の崖)」をいかに乗り越え、「グローバル展開を加速」できるかが最大のテーマです。同社はM&A、ライセンスイン、研究開発費の増額、そしてオプジーボ関連製品(皮下注製剤など)の開発といった多面的な戦略でこの課題に挑んでいます。特許切れが目前に迫る前から危機感を持ち、具体的な対策を講じている点は評価に値します。

しかしながら、現状のパイプラインにP2段階のものが多いことなどから、次世代の柱となる製品群が特許切れまでに確実に育つかという点については、市場から依然として慎重な見方がされているようです。実際、市場全体が比較的堅調に推移する中でも、同社の株価は2022年頃から軟調な展開が続いており、この背景にはオプジーボ特許切れ後の成長に対する不透明感や、パイプラインの進捗への期待と不安が交錯している状況があると考えられます。

滝野社長も決算説明会で、「2026年3月期は増収増益を見込む。デサイフェラ社の通期貢献やオプジーボの成長に期待する一方、フォシーガの後発品影響も見込んでいる。研究開発ではsapablursen導入やONO-4059の進展があった。政策保有株の縮減目標を達成し、今後も継続する。投資アロケーションを更新し、成長に向けた投資を積極的に行う」といった趣旨のコメントをされており、明確なビジョンと戦略を持って変革期に臨んでいる様子が伺えます。

投資家の皆様におかれましては、短期的な業績の数字だけでなく、デサイフェラ社買収のシナジー効果の発現度合い、新薬パイプライン(特にP2からP3への移行状況やP3試験の結果)、そしてグローバル戦略の着実な実行といった、中長期的な成長ドライバーを注視していくことが肝要ではないでしょうか。パテントクリフという大きな壁を乗り越え、持続的な成長軌道を描けるか、正念場が続きます。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行うようお願いいたします。

以上の決算まとめは、決算資料を元に、AI (Google Gemini) を活用し、まとめたものになります。
ハルシネーションの恐れがあるため、ご留意ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

次回の更新もお楽しみに。

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この記事を書いた人

「とーの」です!
ハイテクや経済が好きな理系大学生です。
趣味でブログとか株式投資とかやってます。
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